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2010年 02月 18日

利休さんの泪


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昨日、NHKの歴史番組で古田織部の特集をしていた。
大胆で可笑しみの漂う独特な趣味で一世風靡した茶の湯名人だ。

この人、本当に面白い人。
一流のお茶人でありながら、武士なので当然、戦にも出掛ける。
しかし、戦の間にも、良い茶杓が出来そうな竹林を見つけて入り
うっかり敵に見つかってしまい、鉄砲を打ち込まれたこともあるそう。
ケガで済んで見事茶杓を削った。
その銘が、なんと「玉すべり」。
命がけの笑いとりだ。

ひょうきんものの茶人、古田織部。
ところが、師匠の利休が切腹前に織部に贈ったのは「泪(なみだ)」
という茶杓。
笑い過ぎて泪がでる、という強がりか、笑いの底には悲しみ、ともとれる。
不思議な銘だ。

戦国の時代、死を常に意識しながら生きていただろう
その当時の人々。
そのなか、人生の中の一瞬、そのときを愛でるような
茶の湯の美意識ができたのだろう、と想像する。

現代で、生死をさまよっている人というと、病人だろうか。

そういえば、寿司屋のカウンターで隣に座った医者と
末期がん患者に落語を見せた時の話をした事がある。
ホスピスに移り、死を覚悟した人の笑い方は独特だという。
「笑いながら泣くんだよ」と言いながら、その様子を
真似てみせた。

テレビを見ながら、「利休さんも泣き笑いだったのかな」と
ふと、その医者の身振り手振りを思い出していた。

私には、まだまだ解らない心があると感じるこの頃だ。


花はシンビジウムにグロリオサ、キウイのつる。
一瞬を愛でるには、あまりにも退屈な今日の花。
活けてはみたけど、壊すかな。
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by primenumber2 | 2010-02-18 16:20 | いけばな


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