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晴耕雨読 雨のわブログ

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2009年 03月 30日

色を活ける

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4月を目前にして、新しいことに挑戦する友人が増えて来た。
仕事に関連した資格試験や楽器、英会話レッスンなど。
いけばなも、始めるなら春が一番いい季節。
葉は若く瑞々しいし、樹木の性質もしなやか。
この時期に入門する人は多いだろう。
私も大学の春休みが終わった頃入門した。

「いけばな」のお稽古は
今の時代にとってはちょっと風変わりな習い事かもしれない、と
この頃思う。最近の習い事とはペースが違うのだ。
とにかく、今の習い事はスピードと回収の高い見込みが重要。
ある20代前半の友人は、一日一日を惜しんで努力し
成果を出そうと頑張っている。資格試験に英会話、まめにノートなどとり
週末は勉強。彼女を見ているとすごいなあ、と感心してしまう。

一方、「いけばな」は半ば惰性的(習慣的)に稽古場に行き
一杯を活けるだけの、シンプルなものだ。
楽しい一杯のときもあれば、この上なく苦しい一杯もある。
やる気のない一杯も続けていれば時々はある。
ただ、何があっても稽古場に行くことは止めない。
楽しい時はよりよく勉強し、楽しくない時はそこそこにやる
このペースが思いのほか重要だ。

努力で培われる感性もあれば、時間が育んでくれる感性もある。
スピードアップ、合理化の世界の中で
「いけばな」は、ゆっくり育ちなさいと言ってくれる。
(もちろんいつも学ぶ姿勢がなかったら上達しないが)
免状をとるまで普通のペースで4年程度。
この、長い時間設定の所以はここにあるのだろう。

猪突猛進型のその友人は、努力の人だが飽きっぽくもある。
ハイテンションはそう長くは続かないもの。
穏やかに、長く長く付き合えるものをひとつ持つと
心が落ち着くものだ。
そういうものを持つ幸せを、多くの人と分かち合いたい気持ちで稽古している。

ツツジ、レンギョウ

HP Ikebana garelly 草月流いけばな教室

by primenumber2 | 2009-03-30 15:29 | いけばな


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